ループ部の引張接着試験
この試験ではループ部のみの強度を測るため、メタル部非装着で試験体とした。試験体は実際に壁面に施工された状態として、更に固定治具にエポキシ樹脂系接着剤で固定。このモルタル固定治具を不動点とし、ユニバーサルジョイントで試験体を1mm/minの速度で面外方向に引張力を加えた。
この実証試験は風圧力=面外へ引き剥がす力への耐性を測ることを目的に行われたもので、建設省告示の構造計算基準をもとに、仮に東京23区内、高度45m部分の風下壁面で予想される風圧力を出し、それをクリアする開発目標値を設定したうえで行われたものです。
想定される風圧力
628.9N
開発目標値
650N
実測値
903N
気候変動により今後も懸念される猛烈な風雨への対策としても、十分有効であることが実証されました。
引張接着試験概略図
試験中の変形状況
最大荷重到達後もループ部が7~9mm伸びるまで荷重を負担しています。
試験後の変形状況
荷重-変位曲線
千葉県では長期にわたる停電が大きなニュースとなりましたが、建物被害も想像を超えるものがありました。
国レベルはもちろん、各種研究機関の現地調査も行われましたが、多くの研究者から住宅ストックや各種インフラの耐風性能の向上が急務だとの声も上がっています。